
「1本だけ」が危ない
「あ~、また白髪抜いてるでしょう。ハゲますよ。」
「1本だけだからー。」
こんなやり取り、意外と多いんです。
私は美容業界の裏方として40年以上、
多くの女性の髪を見てきました。
特にアップスタイルを続けている方は、
髪を強く引っ張ることで、毛根に負担がかかっているケースも少なくありません。
昔の美容業界では、
これを「かもじ禿(はげ)」と呼ぶこともありました。
今でいう「牽引性脱毛」です。
つまり毛根は、
- 引っ張る
- 抜く
こういった刺激を嫌うということです。
白髪を隠したい時は「抜く」より「染める」
白髪を1本だけ隠したい時は、
最初はマスカラタイプが使いやすいと思います。
ピンポイントで使えるので、
- 生え際
- 分け目
- もみあげ
- 眉毛
- 髭の白髪
などにも対応しやすいです。
最近では「白髪カバー」という商品も発売されています。
美容師さんに相談すれば、
自分に合うタイプを教えてくれると思います。
ちなみに、美容室でも人気があるのが
SMHファンデーションです。
小さいタイプは生え際、
大きいタイプは分け目などに使われることが多いようです。
白髪が増えてきたら大切なこと
白髪が増えてきたら、
無理に抜くのではなく、きちんと染めていくこと。
これがとても大切です。
私のモデル店では、
髪と頭皮のオゾントリートメントを推奨しています。
できれば、
オゾントリートメントを取り入れている美容室がおすすめです技術をしっかり学んでいる美容室は、
髪や頭皮への考え方も丁寧なところが多いと感じます。
ちなみに、ちょっとマル秘の話。
「オゾン」という名前は、
ギリシャ語の「におう(ozein)」が語源です。
つまり、オゾンには独特のにおいがあります。
私は25年以上オゾン機器を扱ってきましたが、
現場感覚としては、
“まったくオゾン臭がしない時は、
機械を点検した方がいい”
そう感じています。
実際、故障していたケースも少なくありませんでした。
「1本だけ」が積み重なる

これは実際にあった話です。
ある美容室の先生が、
いつも鏡越しに白髪を抜いていました。
しかもアップスタイルで、
常に髪を引っ張っている状態でした。
数年後、その先生はこう言いました。
「何かいい育毛剤ない?」
当時の私は、まだ深く答えられませんでした。
しかしその後、毛髪診断士として学び、
はっきりわかったことがあります。
白髪を繰り返し抜くことは、
毛根へ負担を与え続ける行為だということです。
1日1本でも、
- 1年で365本
- 10年で3650本
しかも、多くの方は
- 前髪
- 生え際
- 分け目
といった同じ場所で抜き続けます。
ここが問題なのです。
なぜ白髪を抜いてはいけないのか
白髪は、
メラノサイト(色素細胞)などの働きと関係しています。
抜いたからといって、
黒髪に戻るわけではありません。
問題は、「抜く刺激」です。
毛乳頭や毛穴に負担がかかり、
同じ場所で繰り返せば、
- 細毛化
- 生えにくさ
- ボリューム低下
につながる可能性があります。
そして気づいた時には、
「最近、前髪が…」
後悔しても、
元には戻りにくいのが現実です。
サラサラより、まず頭皮
髪を染めることは、
ただ隠すだけではありません。
見た目が整うことで、
- 気持ち
- 姿勢
- 行動
まで変わることがあります。
そして、おしゃれをすることは、
女性ホルモンや気持ちの若さにも良い影響を与えることがあります。
だからこそ大切なのは、
サラサラより、まず頭皮。
今ある毛を大切にすることです。
最後に伝えたいこと
白髪は敵ではありません。
抜くものではなく、
守りながら付き合っていくものです。
白髪を見つけたら、
抜かない。
無理に傷めない。
必要なら自然に染める。
そして、
頭皮まで考えてくれる美容室と付き合うこと。
10年後の髪は、
今日の積み重ねで変わっていきます。
毛乳頭を泣かせない。
日本毛髪科学協会
元毛髪診断士|黒子ダイル

